対戦カード系のゲームアプリ流行ってるよね。
最近は『ドラゴンクエストライバルズ』がリリースされた。
自分は『ハースストーン(Hearthstone)』をやっていて、一応レジェンドランクまでいったことはある。
(記念にスクショした。)
今回は『ハースストーン』で学んだことを書いていくよ!
ハースストーンの楽しさは異常!
オンラインのカードゲーム自体が、「いくらでも対戦相手が見つかりデッキを組んだらすぐに試せる」という、子供の頃にアナログの遊戯王やデュエマやってた身からすれば最高すぎる環境なのに加えて、『ハースストーン』はとにかくゲームとして面白い!
- 一定の条件を満たせば報酬が手に入るクエスト
- ワンランク上のヒーローに進化してパワーアップ
- 手札の中で条件を満たしてカードの効果をグレードアップ
などなど、世界観も含めて「ワクワクする要素」がたくさんある。
一番すごいのはルールがシンプルで分かりやすいことだと思う。できることが幅広いのに、マジックや遊戯王みたいに複雑で面倒くさい感じにはならない。
対戦カードゲームの可能性って無限大だな!ってハースストーンやるたびに思う。
公式が作った短編ムービーもすごい。
万人受けしそうなピクサーっぽいテイストで、プレイ人口が7000万人(2017年5月時点)のゲームなだけある。
確実に日本人受けはしないだろうけど。
それぞれのカードの拡張パックにもコンセプトがあって、やればわかるけど本当に楽しい。
公式サイトのリンク貼っておくので気になった人は遊んでみてください。
運ゲーだからこそハマってしまう
カードゲームの勝敗は、「運」と「プレイング」と「デッキ構築」が決める。
ハースストーンは運ゲー要素が強い。そこそこやっている人同士なら、どれだけ差があっても勝率6-4割ほど。例えばトッププレイヤーと僕がネットでマッチングして対戦しても、4割くらいの確率で勝てる。
大会のルールは「BO3でBANあり」などの実力差が出やすい形式になってることが多いんだけど、それでも1割くらいは勝てる可能性があると思う。
ようするにかなりの運ゲーで、そういう意味では、eスポーツが盛り上がっているゲームとはいえ、実力差がはっきり出やすい格闘ゲームなどとは全然違う。
紙ではない電子カードゲームならではだけど、「ランク1のミニオンをランダムで召喚」などの効果がたくさんある。存在するすべてのカードの中からどれかをランダムで持ってくるみたいな感じ。だから同じデッキで対戦してても色々とめちゃくちゃなことが起こったりする。
そして、「成功したら気持ちいい!」と感じるムーブやコンボが至るところに用意されている。自分のやろうとしている動きが毎回決まるわけではないんだけど、だからこそ夢中になってしまう。
人間を突き動かすのは「報酬」ではなく、むしろ「報酬の予感」らしい。
ネズミの脳のある部分に電極を刺して刺激を与えると、動けなくなるまでひたすらボタンを押し続ける……という実験がある。刺激するのは「快楽」を感じる部分ではなく、「快楽を感じる予感」を司る部分だそうだ。
脳は報酬が手に入りそうだと認識すると、「ドーパミン」という神経伝達物質を出し、それによって目の前の欲求に突き動かされる。
これは人間がやる気を出すために必要なシステムなのだが、現代のマーケティングなどではその作用を上手くハックしようとするやり方が主流になってる。
そして、ドーパミンを上手く利用するエンターテイメントの最たるものがデジタルゲームだ。
ハースストーンは、至るところに「期待」が容易されているので、遊んでいると頭がドーパミンでびしゃびしゃになる。
運に大きく左右されるというよりは、「様々な期待に溢れているゲーム」と言ったほうが正確かもしれない。そしてだからこそ面白い(ハマってしまう)のだ。
仮にハースストーンが、もっと硬派な実力重視のゲームだったとしたら、ここまでの世界的な人気作にはならなかったと思う。
あと、脳汁ドバドバを誘発する期待ゲーでありながら、eスポーツが成り立つほど奥深い戦略性も両立しているのが、ハースストーンの凄さだ。
「これ強いんじゃね?」と思ったものはほとんどの場合そうでもない
デッキ作ろうとしてカード一覧を眺めていると、「これ強いんじゃね?」って組み合わせや戦略を思いつく。そしてすぐにそれを試せるのがオンラインゲーム!
ただ実際にやってみると、ちょっと思いついた「強い戦略」って、別にそうでもない。
体感として「強い!」と感じても、ちゃんと勝敗などのデータを記録してみると、そうでもないことに気づく。
オンラインの対戦カードゲームは、膨大な数のプレイヤーが対戦しているので、自然と「強いデッキ」が定まって攻略系のサイトなどにもまとめられるようになる。「Tire1」「Tire2」などの区分けでデッキの強さを表すのが一般的。
日本語でも「HearthGamer」というかなりクオリティの高いサイトが運営されてたりする。
強くなりたいなら、基本的にここに載っているデッキレシピを丸パクリするのが一番強い。プレイングの解説もサイトに載っているし、書かれている通りに動かすのがやっぱり強い。
大会に出るようなトッププレイヤーでも、Tire1デッキを使って回してみて、自分の好みでカードを数枚入れ替えつつ微調整していくのがオーソドックスだと思う。(新しくて強いデッキを見つけ出してしまうすごい人とかもいるけど。)
頭の中でパッと思いついたことや、実際に行動に起こさずに考えていることは、過大評価してしまう傾向があるみたいだ。
ハースストーンのように膨大なプレイヤーがいて検証がものすごい速度で進んでいくゲームは、やっぱりみんなが強いって言ってまとめられてるデッキが一番強い。
ただ、世の中には検証できないもののほうが多く、人生1プレイしかないので「生き方のTire1」なんてものは存在しない。
この教訓を現実的に活かすとしたら、「病院にはなるべく行くようにして絶対に標準医療を選べ」とかそんな感じかな。
ゲーム依存症のやめ方
ハースストーンは神ゲーなんだけど、それ故にめちゃくちゃ時間を喰う。
今ゲームめっちゃ積んでて、ゼノブレイド2とかアサシンクリードとかやったほうが得られるもの多そうなのに、ハースストーンは手癖でついついやってしまうのが恐ろしい。PCでそのまま遊べるから気が抜けたときに起動してしまいがち。
仕事や勉強に支障が出るので、ハースストーン遊んじゃうたびに「もうやらないようにしよう!」と思うんだけど、ついついやってしまう。タバコ辞められないとかもそんな感じなのだと思う。依存症に近い。
最近はちょっと思うところがあって、モチベーションアップの心理学っぽい本なども読んでいるのだけど、わりと参考になる内容も多かったりする。
クソみたいなタイトルの本だけど、内容はそれなりにまともなことが書かれているのでおすすめ↓

- 作者: ケリー・マクゴニガル,神崎朗子
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2015/10/10
- メディア: 文庫
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本の内容だが、「思考を抑圧することは、その対象を逆に膨らませる作用がある」らしい。
考えないようにすることで、逆にそれについて強く考えてしまう。だから例えば、ダイエット中の人が「食べ物のことを考えないようにしようとする」のは悪手。
じゃあどうすればいいかと言うと、「欲求を押さえつけずにそれをじっくり観察する」のが良いとのこと。
デタラメではなく、ちゃんと実験があって、チョコレートを我慢しようとしている被験者に対し、「チョコを食べたいと思ったら自分を戒めなさい」と指示したグループと、上で言った作用があることを説明して「気持ちを受け入れなさい」と教えたグループとでは、後者のほうが「チョコレートを食べたいという欲求が起きなかった」という結果になった。
つまり、何かをやめたいときに、そのことを頭から排除しようとするのは逆効果になる可能性が高い。
「やりたい!」と思ってしまったときは、それを押さえつけようとせずに、「どうして自分はそれを求めているのか」をじっくり考えると、欲求を制御できる確率が高くなるらしい。
そう言えばだけど、「ゲームは(現実と比べて)やりたいと思ったことが思った通りに実行できる」からハマってしまうみたいな記事を昔書いてた気がするし、上で述べたドーパミンの話もそう。
自分の欲望の源泉を辿っていけば、意外とその家庭で解消されていくことがある。抑えつけるのではく和解しようとする感じ。
個人的には、このやり方で効果があった。
「ハースストーンやると時間が高速で溶ける! もうハースストーンのことは考えちゃダメだ!」と思って、関連ツイートしてる人をミュートにして、YouTubeもハースストーンの実況動画をはじいたりしてたんだけど、そうやって遮断するほど、精神的に疲弊したときなどについ起動して遊んでしまったりする。そして遊んでも罪悪感で逆にストレスが貯まる悪循環に……。
今は新拡張のデッキレシピとか普通にチェックしてるし、YouTubeのゲーム実況動画も見るし、「たまにやるくらいならいいでしょ」くらいに思っているけど、実際にハースストーンに費やしている時間は大幅に減っている。
もしみんなが仕事や学業のためにか夢中になっているゲームを辞めたいと考えている場合は参考にしてみて欲しい。
※参考にしたケリー・マクゴニガルの著書だけど、本記事のドーパミンの話は第5章、やめ方の話は第9章に載ってる。
以上、私がハースストーンを通して学んだことでした。