「ゲーム・オブ・スローンズ」をシーンズ5まで見て、とても面白かったので、ネタバレ無しで紹介していく。
全米でDVD売上第1位の海外ドラマ。
玉座を奪い合う者達の群像劇で、ドラゴンや魔法も出てくるファンタジー。ただ、常に魔法を使って闘うみたいな感じではなく、中世ヨーロッパに近い世界観の、いわゆるロー・ファンタジーというやつ。
今まで見てきた映像作品の中ではかなり異色。これが世界中で受け入れられているという事実がすごい。
残酷なシーンと性描写がものすごくて、日本の民法テレビでは絶対に流せないような内容。ただ、そういう描写が、話題性を高めるとかサービスとしてやってるとかじゃなく、作品の世界観を構成するための不可欠な要素になっている。
忘れられなくなるくらい凄惨なシーンがこの作品の中にあるのだけど、それは映像的が過激という意味ではなく、ドラマの筋立てと演出そのものの「凄み」によるものだ。この感覚は、実際にドラマにはまり込んでみないとわからないかもしれない。とにかく「すごい!」と言いたくなる。
「ゲーム・オブ・スローンズ」には、いわゆる「主人公」がいないので、誰が勝つのか、誰が死ぬのか、これからどういう話になっていくのか、まったく予想ができない。ストーリーも勧善懲悪じゃなくて、主要な登場人物も普通に死んだりする。だからこそ、良い意味で安心して見れないし、続きが気になる。
ゲーム・オブ・スローンズを視聴する方法
TSUTAYAでビデオを借りてきたり、Amazonビデオで見るという方法もあるけど、お金や手間がかかるのでオススメしない。特にドラマは話数が多いので、定額で見放題の動画サービスで見るのをオススメする。
ちなみに僕は「Hulu」で見た。ゲーム・オブ・スローンズ配信元のHBOは、国内の動画配信サービスでは「Hulu」と独占契約しているので、あえて他のサービスを使う理由はあまりないと思う。
「Hulu」は、月額933円(税抜き)で中の動画を見放題の動画サービス。詳細について気になるなら以下の記事を参考にしてほしい。
ゲーム・オブ・スローンズの舞台
第一話の最初のシーンは、雪原にバラバラの死体が並べられているところから始まる。最初から視聴者の厳選をしているので、親切と言えば親切。ここで駄目な人は視聴しないようにしてねってこと! もっと酷いシーンもあるし、感情移入したキャラだって普通に死んだりするからね。
ゲーム・オブ・スローンズの舞台であるウェスタロスという大陸は、不定期に続く夏と冬が交互に来る。そして、長く続く「冬」が相当ヤバいらしい。長い夏が何年も続いていて、もうすぐ冬が来そうだ……というところから物語が始まる。
スターク家がみんないいキャラしてる
僕がゲーム・オブ・スローンズの中でも特に好きなのがスターク家だ。主人公のいない作品ではあるのだけど、最初に焦点があたるのがスターク家。みんな良いキャラしてて、家長のネッドとか本当に偉大な親父なんだよね。強いし、作中で一番良識のある人物かもしれない。
家訓が「winter is coming」とか、かっこ良すぎる。スターク家のおかげで壮大な物語がいっそう魅力的なものになっていると思う。
鉄の玉座をめぐる物語
僕は未読なんだけど、ジョージ・R・R・マーティン著『氷と炎の歌』が原作としてある。ただ原作とドラマの内容はけっこう変わっているみたいだ。第一シーズンのタイトルは「七王国戦記」。

- 作者: ジョージ・R・R・マーティン,目黒詔子,岡部 宏之
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剣が集まったデザインの玉座。ここに座れるのが大陸の王の証ということなんだけど、主要な登場人物達はこれを狙っている。
ロー・ファンタジーの格式
雰囲気は映画「ロード・オブ・ザ・リング」や、ゲーム「Oblivion」「Skyrim」に近い。ただ、エルフやドワーフなどの多様な種族がいるわけではなく、さらにファンタジー要素が控えめになっている。
しかしだからこそ、一つ一つの超常現象や、あり得ないようなできごとが、真に迫ってくる感じがする。「ドラゴン」や「ホワイトウォーカー」のような存在の脅威がありきたりなものではなくなっているし、「魔術」や「奇跡」といった概念の本当の凄みを感じる。
「壁」や「ナイト・ウォッチ」みたいな設定も渋い。
衣装と言語のこだわり
衣装などのデザインにはかなりこだわっているみたいで、そういうのが見てて楽しい。中世ヨーロッパ風の衣装って最高だよね。冥夜の守人のジョン・スノウの衣装もすごく好き。かっこいい。
言語にもかなりこだわりがあるらしい。作中で使われる言語はイギリス英語なんだけど、北部人はイングランド北部の英語、南部人はイングランド南部の英語、ウェスタロス大陸の外から来た人物は外国語なまりの英語でしゃべってる。字幕で見る人は意識してみるといいかも。
あと、作中に出てくる架空の言語(ドスラク語)も、言語学者の監修のもとに作られて、俳優も相当練習したんだとか。
大人の視聴に耐える物語
勧善懲悪でもなく、良い奴も悪い奴も関係なしにどんどん死んでいく。暴力と野蛮がはびこる世界だから、ダークファンタジーで人気の漫画「ベルセルク」みたいに、基本的に女性にはシビアな世界だ。登場する女性も娼婦が多い。あと、ヌードシーンも多い。
主人公格の一人「デナーリス・ターガリエン」を演じるエミリア・クラークも、作中でフルヌードになってるけど、「AskMen.com」とかいうオンライン雑誌で「世界で最も理想的な女性」の一位に選ばれてる。売れない女性だから脱ぐという感覚はもう古いし、やっぱり視聴者には「大人」が多いのかな。
分かりやすくもないし爽快感もないから子供が見ても楽しめないかもしれない。「戦い」ではなく「暴力」が描かれた作品だと思う。
ドラマでしかできない面白さ
映画って、時間あたりに対する制作費の贅沢さでは他の追随を許さないし、映画の水準で考えるとドラマはクオリティーが落ちる。でも、長いスパンで見るドラマだからこそできるやり方もあると思う。ゲーム・オブ・スローンズは映画製作並のお金をかけて、ドラマでしかできないことをやろうとしている感じがする。
多くのドラマの例に漏れず登場人物の会話シーンがメインなんだけど、緊張感があって先が楽しみで、映画とは違ったジャンルという感じ。ただ、非常に長い作品である上にまだ完結もしていないから、忙しい人が見るのはちょっと難しいかな。見る価値は絶対にあると思うけど。
ゲーム・オブ・スローンズの好きなキャラクターベスト5
最後に、個人的に好きなキャラクターの紹介。ネタバレ無しだからさらっと書いていくよ。
ダヴォス・シーワース
もともとは悪名高い密輸業者で、危機の際に玉ねぎなどの食料を運び入れたから「玉葱の騎士」と呼ばれる。強くて優しくていいおっさん。こういう経験と含蓄のあるキャラが多数登場するのがゲースロのいいところ。
ジョラー・モーモント
実力と屈折を抱えたキャラ。こういう渋い奴は応援したくなる。最初はカッコよかったけど、シーズンを経るごとにだんだんキモくなってく感じもする。最終的にどうなるのか気になる。
ピーター・ベイリッシュ
こいつもキモい。キモいおっさんが活躍するのがゲースロの魅力です!策謀に秀でたキャラで、大きな野望を持ってるところがいい。衣装とかしぐさも様になっててかっこいい。
ティリオン・ラニスター
マスコットキャラ的な存在。体は小さいけどけっこう切れ者で女好き。ティリオンファンは多いだろうと思われる。ラニスター家から小人症の子供が生まれてくるという設定が容赦ない。
ネッド(エダード・スターク)
正統な騎士にして良い父親、領主だった。勧善懲悪じゃないからこそ、こういう人物の価値が真に引き立っているような気がする。散り散りになったネッドの子ども達の見て、彼の偉大さが実感できた。僕もこういう立派な父親になりたい。
ただ、こういう人物の見せ方ができるのも、ゲーム・オブ・スローンズという壮大で残酷な物語があってこそだよなあ、と思う。
とりあえず、見て損はしない作品だと確信を持って言える。既存の海外ドラマやテレビ番組に飽きちゃったという人にもおすすめしたい。
公式サイトはこちら
追記なのだけど、これはシーズン5を見終えた時点で書いた記事で、シーズン6がより面白すぎたので、思わずまた記事を書いちゃいました。
長文だけどよかったら見ていってください。