しっきーのブログ

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「非正規雇用」の何が問題なのか?


「正規雇用」と「非正規雇用」の話題が盛り上がってるみたいです。wattoさんがこういう形で言及するのは珍しいのでちょっとびっくりしました。



 正社員のらくからちゃさん。非正規雇用のwattoさんと並んだところで、ほぼニートである僕も乗っかってみますね!


 現在は就活シーズンでして、僕も一応それに当てはまります。2ヶ月ほど前まで、僕は自分が正社員になることを疑っていませんでした。しかし今は正社員をすでに諦めていて、だからこの話題は個人的にそこそこホットなのです!



 僕は、立場としてはwattoさんに近いです。というより、らくからちゃさんは問題そのものを認識できていないように思いました。

 もちろん僕が間違っている可能性も高いので、そこらへんは記事を読んで判断していただきたいです。



「正規雇用」「非正規雇用」というのは、実態をよく表している言葉だと個人的には思っています。

 ちなみに、「非正規雇用」にあてはまる英語はないらしいですね。日本の労働環境のコンテクストから生まれた言葉なので無理もないです。 「irregular employee」では伝わらないので、「hiseiki syain」と言ってその背景から説明するしかなさそうです。

英語にない日本語 第37回 「「非正規社員」 Hiseiki shain」|グローバルな活躍を目指すすべての人のために Global Manager



 じゃあ、「なぜ非正規雇用が問題なのか?」ですが、一言で言うと社会福祉が会社にくっついてるからです。

 日本は「生活費や保育費や学費を国が支援する」という形ではなく、「家庭を持った正社員の待遇を良くする」という形で福祉を行ってきました。それが本当に「welfare」なのかはともかく、そういう考え方でやってきたのです。


 これに関しては、濱口桂一郎氏の本を読むといいかと思われます。


日本の雇用と労働法 (日経文庫)

日本の雇用と労働法 (日経文庫)

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)



 僕もかなり前にブログの記事を書いたりしてました。

 とても雑にまとめますが、ちゃんと知りたい人は本を読んでください!


 欧米は職能に対して賃金を払う「ジョブ制」でやっているところが多いけど、日本は所属に対して賃金を払う「メンバーシップ制」でやっているところが多いです。資格や能力ではなく、所属と立場にお金が支払われるわけですね。

 そして、日本の「正社員」には、拘束性の高さと責任の重さゆえに、高い給与と企業による福祉が与えられてきました。


 福祉って、国が集めて個人に再配分するイメージを多くの人が持っていると思うけど、やり方は色々です。

 日本の場合は、国が直接個人に支給するものは相対的に少なく、その代わりに正社員の待遇を良くするという形で、福祉が行われてきました。だから、「正社員」は働き以上に給料が高かったり、厚生年金や国民年金の違いがあったり、「社宅」みたいな福利厚生が充実したりしているのです。

 どうしてそんな方法でやってきたのかと言うと、家父長制の名残のようなところもあって、「男性正社員」が一家を支えて、奥さんが働く場合はパートで、という社会だったからです。要は、「お父さん」がたくさん稼げるんだから生活費も学費も高くていいよね、ってことです。


 もともと「パートタイマー」は「奥さん」がやるものと想定されていたから、賃金も安くていいし、何の保障も与えなくていいだろうというものでした。

 そして段々、必要な社会保障制度が整わないまま、男性も非正規で雇われるようになっていきます。

 今までも「大企業」と「下請け」みたいな身分の差はあったのですが、「正規」と「非正規」の格差が新しく生まれてしまいました。


 企業が福祉を担わずに、国が直接個人に分配しているところでは、「正規」と「非正規」みたいな問題は起こりません。

 日本においては、「非正規社員」にあたる企業に所属できていない人が、賃金が低いのに加えて再分配後も福祉を受けることができないわけで、これは大きな問題でしょう。


 自分の記事の引用ですが、再分配を通して貧困が加速するみたいなヤバいことが起こってます。「非正規」からは少しズレるかもしれませんが、シングルマザーの貧困率が非常に高いのも根は同じ問題です。


 名称を変えても実態が変わるわけではないし、むしろ問題が見えにくくなってしまいます。「正規」と「非正規」の間に「不公平」があるという事実をちゃんと認識することが必要だと、冒頭に貼ったらくからちゃさんの記事を見て思いました。


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 ただ、「じゃあ解決策として何をすればいいのか?」ということになると、非常に難しい。


 wattoさんが言っていたように、多分らくからちゃさんの問題意識としても、同じ人間なんだから「正規」と「非正規」とかに関係なく、みんなで幸せになれるように頑張ろうぜ!ってことだと思います。

 ただ、「正社員」は恩恵を受けている側なわけで、そうでない側に権利を分けろというのも、現実的には難しいかもしれません。再分配の問題でもあるので、一度確与えられた権利を取り上げることはなかなかできない。


 もちろん、今は「正規」vs「非正規」という単純な問題でもなくなっています。酷い待遇の名ばかり正社員もいるし、今の就活生の感覚としては、正社員だって糞だけど非正規はさらにヤバいので、嫌々ながら正社員を目指しているのではないでしょうか。


 色んな立場の人がいて色んな意見があります。

「職能給」にすればいいじゃないかと言う人も多いですが、やはり制度には一長一短あります。若者でも年配でも、同じ仕事には同じ賃金というところでは、経験のある人がより仕事を取りやすくなるという構造があので、若い人が仕事を貰えずに失業率が上がるといったことも起こっています。


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 じゃあ僕の立場はと言うと、やっぱり正社員を解雇しやすくしようという方向は難しいと考えています。非正規雇用の人達が置かれている現状を認識した上で、少しずつ待遇を良くしていくのがいいんじゃないかと思います。非常に消極的な案ですが……。


 良くないと思うのは、国の決定や労働基準法は守らなくても大丈夫と思ってる企業が多いことですよね。これもまた、憲法の解釈次第で核が持てるみたいな根の深い問題ではあると思いますけど。



 いろいろと憂鬱になってしまいますね!

 就活に関して言うと、新卒で正社員になることはほぼ諦めてるのですが、単純に能力がないというのもあるけど、椅子取りゲームに参加する気にならないんだよね。


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 仮に生産性が向上し続けて機械化も進んで人工知能も発達するとしたら、働く必要のある人間ってどんどん減ってくわけじゃないですか。

 それでも、仕事に就けなくて尊厳を失ってしまう人がいたり、保育園落ちて日本死ねという人がいたり、鬱で自殺したり社会復帰できなくなってしまう人がいます。

 それはいったいどういうことなんだ、というのが僕の問題意識なのですが、それについては今後色々と書いていきたいです。