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しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

「miitomo」から見るこれからの任天堂

ゲーム

 任天堂初のスマホアプリである「miitomo」がリリースされましたね。みなさんフレンドいますか?

 私は任天堂ファンなのですが、miitomoのレビューと、そこから見えてくるウェブ文化とコンシューマー文化の違い、今後の任天堂がどうなりそうかみたいなことについて話していきたいと思います。


目次


miitomoって何だ?……任天堂初のスマホアプリ

 miitomoは任天堂初のスマホアプリであり、いわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ですね。でもmiitomoはSNSにしてはけっこう変わってます。


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 まず、制限が多い。Twitterとかfacebookは自分が好きなタイミングで好きな話題について投稿できるし、ユーザーの裁量で色々とカスタマイズできます。もちろんSNSは何でもありが良いというわけではなく、むしろ何をどう制限するかによって特徴づけられます。

 Twitterの場合は140文字以内で投稿だったり、facebookの場合は現実のコネクションを反映して友達がつくられるなど、その制限内容こそがSNSだと言ってもいいかもしれません。


 miitomoは、与えられた質問に対して自分が答え、それが伝聞でフレンドに伝わっていったり、フレンドの部屋に行って解答を聞き出す仕組みになっています。これは従来のSNSの文脈からするととても変わってます。

 仮に「自分はこれを伝えたい!」とか「この解答はけっこう面白い自信がある!」みたいなことを投稿しても、それがフレンドに必ずしも伝わるとは限らない。面白いものや感心を引くものが広まっていかないような仕様です。

 そもそも、自分の投稿がフレンドを超えて広がっていきません。フレンドにならない限り他ユーザーの投稿は見れず、SNS内でフレンドを作る導線も用意されていません。初期段階では、リアルの知り合い同士が対面でフレンドになるか、既存のSNSであるfacebookやTwitterと連携して、そこで関わりのある人同士でフレンドになる仕組みになっています。

 え? じゃあ任天堂が好きで好きで仕方ないけど友達いなくてTwitterやfacebookもやってない人はどうすればいいかって?


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慈悲はない。


 なぜmiitomoは既存のSNSの文法を無視して、これほど不自由なSNSになったのでしょうか。それは、任天堂というゲームメーカーが海外のユーザーからどう位置づけられているのかと関係しています。


世界的な任天堂のイメージは?……子供に安心して買えるということ

 まず、miitomoは国内だけではなく世界に目を向けて作られたアプリだと僕は考えています。3月31日に海外15カ国で配信が開始されたみたいです。国内よりもずっと市場の広い海外を重視するという選択は無理のないものだと思います。

 国内と国外では、ゲームというコンテンツの捉え方や消費者の好みにけっこう違いがあって、日本が特徴的すぎると言っていいかもしれません。この件に関しては一度ブログで書いたのでリンクを貼っておきます。長いので別に読まなくていいです。

 国際市場における任天堂のゲームの大きな強みは、「子供に安心して買い与えられること」です。EAやブリザードといった海外の大手ゲームメーカーは主に大人向けのゲームを作っているので、年齢制限のレーティングも高く、残酷な表現も多く使います。GTAやCoDのようなゲームが世界的に見れば最も売れていて、任天堂は国内の他会社とくらべても圧倒的な海外シェアがあるのですが、それは子供向けゲームという市場で高い評価を得ているからです。

 任天堂のゲームをやった人はわかると思いますが、子供でも遊べるものでありながら奥が深い、というのが任天堂の作品の特徴の一つとして挙げられます。


 これは日本人からするとなかなかわかりにくいことなのですが、欧米では子供が遊ぶものは親が決める、という考え方をわりとします。犯罪や戦争をリアルに経験するような作品は、大人としてはあまり子供にやらせたくない。一方で、マリオみたいなゲームならまあいいか、みたいな感じになりやすく、また親と子が一緒にプレイできるというのも任天堂作品の大きな強みです。

 だから、コアゲーマーには受けませんが、任天堂は戦略として子供も大人も安心して遊べるようなものを作っているし、それは実際に成功しています。


 そして、ここまで書けばおわかりいただけたと思いますが、miitomoもその「安心」という点を重視した、というよりはSNSに持ち込もうとしたアプリと考えることができます。

 例えばTwitterなどは、誰とでも相互フォローになってメッセージ交換できるし、過激だったり不健全な情報が入ってきやすい。何かつぶやいて炎上してしまうかもしれない。小学生とか中学生くらいの子供にはTwitterをやってほしくないなと思う親は多いでしょう。SNSを通して人の感心を集めようとすることは闇につながっています。

 任天堂がmiitomoでやりたかったことの一つは、おそらくですが「低年齢でもできるSNS」であり、それは任天堂という企業の戦略としては真っ当なものだと思います。

 任天堂はアプリといったウェブ系の分野にはあまり参入したくなかったと思いますが、まあ色々と圧力などもあったのか、自らのブランドイメージを活かした戦略をとってきた感じでしょうか。これから、そもそもなぜ任天堂はウェブが苦手なのかという話をしていきたいと思います。


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ウェブ文化とコンシューマー文化の違い……任天堂はウェブ開発が苦手?

 任天堂がアプリ開発をずっと避けたきたのは無理もありません。ソーシャルゲームやスマホアプリがウェブ文化のものだとしたら、これまで任天堂がやってきたのがコンシューマー(家庭用ゲーム)文化のものだからです。

 ウェブとコンシューマーの違いは、大まかに言うと、ウェブが後からデータを更新できるのに対して、コンシューマーは作ってしまうと後からいじれないということです。そういう意味では、今のWiiUやPS4のようなコンシューマーゲームも、後からアップデートがあったりパッチがあてられたりするのでウェブ化してきてると言えます。

 しかし少なくとも、スーパーファミコン、ゲームボーイ、ニンテンドー64、DSのようなハードでは、インターネットに接続して後から不具合を直したりデータを付け加えたりできないゲームを作ってきました。そのようなゲームにはソシャゲと違って「運営」みたいな概念はありません。一つの完結した作品であり、作ってしまえばもう終わりです。

 じゃあウェブってコンシューマーの完全上位互換なのでは? となるかもしれませんが、しかし、今のソーシャルゲームと過去のコンシューマーゲームの名作を比べてみて、今のほうが明らかに良い、という人ばかりではないと思います。


 ウェブはとりあえずβ版を出して、ユーザーの反応を見ながら必要な機能をどんどん付け足していく、みたいな作り方をするところが多いです。一方でコンシューマーゲームは、後から直せないのできっちり作るのがすごく重要でした。そして任天堂は、そのきっちり作る部分に関しては間違いなく世界最高のゲームメーカーと言っていいでしょう。ゲームをデジタルなソフトウェアではなく、玩具のような物理的な部分でとらえてきた側面があったからこそ、DSやWiiのようなものを作ってこれたとも言えます。そこが得意な一方で、ウェブはやってこなかっただけ苦手です。これからどんどんゲームがウェブに移っていく環境は、普通に考えれば任天堂にとって強い逆風です。

 そもそも世界的なハードウェアメーカーでもあった任天堂にとって、グーグルやアップルが作ったプラットフォームの上でソフトを作らなければならない時点で屈辱でしょう。そこらへんに関しては、もちろん僕は知りようがありませんが、内部で色々とあったのだと思います。


これからの任天堂……任天堂はVRに参入するのか?

「枯れた技術の水平思考」という横井軍平の言葉は有名ですね。最新技術の追求とは別のところで面白さを出してこうという考え方です。

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 ニンテンドー64で3Dゲームの革新的な文法をいくつも開発した任天堂は、映画産業の蓄積を参考にしてそれらを生み出しました。DSやWiiのようなハードウェアもアイデア勝負であり、玩具メーカーとしてやってきたのが大きいです。スプラトゥーンにしても、もともと海外でのFPSの流行を踏まえたうえで、任天堂にしか作れない新しいソフトを作りました。


 今のゲーム産業のホットトピックスはVRですが、任天堂がいきなりそのような最先端の技術に跳びつくのは悪手かもしれません。ただ、VRが普及した後にVRならではの素晴らしいソフトを作れる可能性が高いのは任天堂だと思います。

 まあ大企業ですから利害関係や圧力が色々とあるのかもしれませんが、ウェブとか新しい技術とかは任天堂の得意分野ではないでしょう。それでも任天堂にしかできないことはたくさんあって、じっくり待つというのが任天堂ファンのやることだと思います。はやくゼルダ新作だせよ。


miitomoアプリの出来は?……正直いまいち

 そして、miitomoのレビューですが、上で述べてきた諸般の事情を加味しても、出来はいまいちという印象です。操作が快適なわけでもないし、どうぶつの森のような独特の空気感を表現できているわけでもないし、やっぱりウェブ系の開発は苦手なんだなということを印象づけてしまったアプリだと思います。

 アプリが重すぎて時間あたりに表示される情報量が少なすぎる、あえて便利さを排除してるのはわかるけどそれが面白さに繋がってない、というのがマイナスポイントですね。


 一方で評価できるのは、ユーザーの盛り上がりみたいなものに頼っていない点ですね。従来のようなSNSだと、ユーザーが減っていくとタイムラインに盛り上がりがなくなって衰退が加速されるということがありそうですが、ユーザーとユーザー同士のコミュニケーションを重視しているmiitomoの場合、ヘビーなユーザーは少数でずっと楽しく遊び続けられます。全体が衰退してきたとしてもずっとアクティブに使えるというのは非常に強いです。


 個人的な好みを言えば、コンシューマー的な文脈を踏まえたウェブアプリということなら、ウェブ的なものに空間とか距離感を持ち込むみたいなことを任天堂に期待してました。知らない人とまでは言わないけど、家の外のオープンスペースがあって、そこで誰かとちょっと繋がれるような仕組みが欲しいですね。

 まあこれからどんどん新しい機能が追加されていくんだろうけどね。


 前回のアップデートでは、共通のフレンドが多くいるユーザーをフレンドに追加できる仕組みが追加されました。これでフレンドが少ない人でもどんどん仲間を増やしていけます。miitomoはリアルで親しい人がフレンドになりやすいから、アプリにおすすめされたフレンドもきっと気の合う人達なんだろうなあ……。


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 以上です。