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しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

うつ病にならないために「睡眠」に気をつけよう

 うつ病は、近代社会を象徴するような病気であり、例えば、放射能の危険に似ている。


 船に乗れば遭難するかもしれない、車に乗れば交通事故にあうかもしれない……というわかりやすい危険ではない。色も匂いもなく、認識できないままに身体が破壊されていくのが放射能汚染の脅威だ。

 放射能のような危険は、専門的な知識と測定器なしには認識することすらできない。


 認識できなければ、当然ながら対処することもできず、命を落とす。


 「知識がなければ認識できないもの」が私達の生活を脅かそうとしていることを、まずは「認識」するべきだ。うつ病はそれを代表するものの一つと言っていい。

 現代人は誰もがうつ病の脅威に晒されているし、それは自動車事故みたいな「わかりやすい」ものとは別の危険な性質を持っている。


不眠とうつ病 (岩波新書)

不眠とうつ病 (岩波新書)

 本書は、うつ病と睡眠が密接な関係にあることを論じている。


うつ病と睡眠障害は関係が深い

 案外知られていないことらしいが、うつ病は「からだの病気」と言って間違いでないほど、様々な身体症状が現れる。

 その身体症状の中でもっとも多いのが「睡眠障害」で、本書記載のある調査によると、うつ病患者の94%がそれにあたる。(睡眠障害の次に大きい順に、疲労感や倦怠感、首や肩のこり、頭痛)

 しかし94%のうち、患者自ら睡眠障害があると訴えた割合は26%で、残りの68%は、医師が聞き出すことによって初めてわかったそうだ。つまり、睡眠障害はうつ病と関係が深いにもかかわらず、患者はあまりそう認識していない。


 睡眠障害が原因でうつ病になるのか、うつ病と併発する形で睡眠障害になるのかはわからない。鶏と卵の関係かもしれない。

 しかし、よく眠れているかどうかがうつ病の有用なメルクマールであり、また長期的な不眠はうつ病に繋がる可能性の高い危険な状況である、という認識を持っておくことは決して無駄ではないだろう。


不眠はうつ病の重要な指標

 日本で一番自殺者が多い層は50代男性であり、その多くが「うつ病」ないしは「うつ状態」によるものと推定される。

 うつ病は自覚するのが難しい病気である上に、自殺者の高い中高年世代は、周囲から心配されても自分が病気だと認めたがらない。


 著者の提案では、うつ病の疑いのある人には、「お前うつ病じゃね?」と言うのではなく、「最近眠れてる?」と聞くのがいいらしい。自分が精神科だと絶対に認めたがらない人は多いから、まず睡眠障害を認めさせた上で、睡眠障害がいかに恐ろしいかを説明して病院につれていこう。


 放射能汚染の危険と同じように、うつ病が怖いのは、知識がなければ自分がうつ病となかなか気づけず、気づいた頃には症状が悪くなっている場合が多いところだ。うつ病の前触れかもしれない症状として、睡眠障害がその筆頭であることは知っておいたほうがいい。


おじさんと睡眠障害

 加齢と共に、ずっと眠り続けることが難しくなる。若者には、なかなか寝付けない「入眠障害」が多く見られるが、年齢が上がるにつれて、「中途覚醒」と「再入眠困難」が増える。途中で起きてしまって眠れなくなるやつだ。

 僕はかなり寝付きが悪いほうで、布団に入ってもなかなか眠れないんだけど、一度寝てしまうと起きるのがつらすぎるくらいぐっすり眠ってしまう。睡眠障害として深刻なのは、一度眠ってもすぐ起きて眠れなくなってしまうタイプの不眠で、その割合は年齢を重ねるにつれて増える。


 ちなみに、不眠を訴える人の比率はどの年代を比較しても男性に比べて女性が多いらしいが、客観的に睡眠を測定する調査によると、男性よりも女性のほうがよく眠りやすいらしい。なぜこのような結果が出るのかはよくわかっていないが、男性はもっと自分の睡眠に対して気をつけたほうがいい。


不眠かな?と感じたら「睡眠日誌」を

 睡眠障害と言ってもなかなか難しく、不眠症自体がうつ病に親しい性質を持っている。自分が不眠だと認識してしまうことで、何とかして眠ろうと緊張するからこそ眠れなくなる……みたいな悪循環に陥る場合もある。

 筆者がまず勧めるのは「睡眠日誌」という方法だ。眠った時間を覚えておいて記録するだけ。睡眠障害は自分自身の主観や印象に大きく左右されるので、レコーディングすること自体に良い効果がある。記録するという行為によって安心して眠れるようになったりもするし、定量的に把握してみると、「意外と寝てるし大丈夫じゃん!」ってなったり、もし長期間に渡って本格的に寝れていなければ病院に行く決心がつく。


うつ病の治療としての断眠療法

 著者は、うつ病患者に対して、すぐ薬を支給する前にまず断眠療法を試せ、と主張している。一度ぐっすり眠ってみるなど、睡眠を調整、管理することがうつ病治療に効果的らしい。

 断眠療法とは、睡眠制御によるうつ病の治療法で、一晩徹夜して深く眠ったり、睡眠の後半部分のみを断眠したり、レム睡眠時のみを断眠するなど様々な種類のものがあるが、まずそのような方法を試してみるべきだと言う。

 抗うつ剤は、人によって合う合わないがあるので、長い時間をかけて試していなかければならないが、断眠療法は抗うつ剤より身体への負担が少なく、結果が出るかどうかも比較的すぐわかるので、薬使う前にやってみることらしい。ただし、個人でやるのは危険だから医師の指導の元に行う必要がある。

 これについては、医師の当たり外れも大きいし、うつ病と診断したらすぐに抗うつ剤を処方して終わり、という先生もいるみたいだ。


ぐっすり眠るために

 うつ病の黄色信号の指標として「睡眠」に気をつけるのと同時に、うつ病を予防するために、きちんと眠る努力をしなければならない。

 よく眠るための方法として、著者は「刺激制御法」などを推奨している。気になる人はググッてみよう。



 これを書いていて、昔よく眠れる方法についての記事を投稿したことを思い出した。

 僕の場合、睡眠中に頭に浮かべる「言葉」が眠れない原因になっていることが多いので、エロいことを考えたり自分は死んでいると考えたらよく眠れる、という主旨の記事だった。なんの科学的根拠もないが。



 睡眠とうつ病の関係が深いという認識はけっこう有用だと思う。瞑想と運動もいいけど、睡眠も大事だよってことです。


 睡眠の重要性を理解してちゃんと眠れるように気をつけること。それでもなかなか眠れなかったらうつ病の危険性があるから、億劫がらずに病院に行こう。  
 また、睡眠はうつ病の指標として有用だけど、ぐっすり眠れていれば必ずうつ病ではない、ということは意味しないので、そこは注意してください。



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