しっきーのブログ

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おすすめの小説短篇集を紹介する

 短篇集はいいですよ。普段はなかなか忙しくて小説を読む機会を作れないけど、短篇集なら一日に一話くらいは無理なく読めます。文章の修行、勉強にもなるし、短いけど心に残る作品もあって幸せになれますよ。みなさんも一日一作品、小説を読む生活をしてみては如何でしょうか。個人的におすすめの短篇集を紹介していきます。


日本近代短編小説選

日本近代短篇小説選 昭和篇1 (岩波文庫)

日本近代短篇小説選 昭和篇1 (岩波文庫)

 安定の岩波文庫。少々値が張るがハズレがない。というか、どれも教養として読んでおきたい名作ばかり。明治篇、大正編、昭和編があり、岩波らしくかなり教養主義的なチョイスで、例えば明治篇なんかだと「森鴎外や尾崎紅葉などの雅文体→泉鏡花や露伴などの雅俗折衷→山田未妙や国木田独歩など原文一致体」という編集になっている。明治大正はちょっと取っ付きにくい感じもするが、気軽に短編を楽しみたい人はまずは昭和編から読んでみるのがいいと思う。人間の内面を描いた純文学系の作品が多い。


短編コレクション

短篇コレクションI (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

短篇コレクションI (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

 詩、小説、評論、翻訳もこなす池澤夏樹編集の短篇集。彼の詩や小説は正直あまり読んだことがないのだが、選ぶ短編のセンスは素晴らしい。本書はヨーロッパ以外の、アメリカ、アジア、アフリカの傑作短篇を集めたもの。ヨーロッパ系以外の名前も聞いたことがなかった作家と出会えるのが非常に嬉しい。あと、池澤夏樹が最近出した「現代世界の十大小説」という本が、小説ではなく新書だけどすごく面白かったし勉強になった。


見上げれば星は天に満ちて-心に残る物語 日本文学秀作集

見上げれば星は天に満ちて―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)

見上げれば星は天に満ちて―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)

 「地下鉄(メトロ)に乗って」「壬生義士伝」などを書いた大人気小説家の浅田次郎が、「これだけは後世に残したい日本の心」として選んだ名作13篇。短篇集の醍醐味は編者にあるのかもしれない。現役の作家が編集する短篇集ってなんかいいよね。有名作家が自分の審美眼を懸けて選んだ作品たち、ぜひその恩恵を享受させてもらおう。浅田以外に、沢木耕太郎や桐野夏生なども文春文庫で同じ試みをやっている。


名短篇、ここにあり

名短篇、ここにあり (ちくま文庫)

名短篇、ここにあり (ちくま文庫)

 小説家の宮部みゆきと北村薫が編集した短篇集。一人の作家に焦点を当てたものもいいけど、やっぱり短篇集は色んな作家が混ざってるのがいい。ジャンルはSF、ミステリー、サスペンスなど。二人とも本当に小説好きなんだなあという印象。続編の「とっておき名篇集」「読まずにいられぬ名短編」のほうがいい作品が多めかも。宮部、北村ファンかミステリー好きにはおすすめできる。


短編工場

短編工場 (集英社文庫)

短編工場 (集英社文庫)

 集英社が編集した短篇集。桜庭一樹、伊坂幸太郎、石田衣良、荻原浩、村上由佳など、大人気作家の詰め合わせといった感じ。岩波のような格の高さはないが、色んな作家のエッセンスを楽しめる贅沢な内容。好みに合う作家を探すという目的で捲ってみてもいいかも。あまり大衆小説を読まない人でもこの短篇集くらいなら買っておいて損はないと思う。なんだかんだ、人気作家だけあってみんなすごい。


短編ベストコレクション:現代の小説2014

短篇ベストコレクション: 現代の小説2014 (徳間文庫)

短篇ベストコレクション: 現代の小説2014 (徳間文庫)

 日本文藝家協会が編集。毎年やってる試みなのだが、2013年に発表された中から名作短篇を選ぶ。現代の作家のレベルが高いか低いか、これをみてどう感じるかはあなた次第。


泉鏡花短篇集

鏡花短篇集 (岩波文庫)

鏡花短篇集 (岩波文庫)

 現代っ子にとってはなかなか読みにくいが美しい日本語。泉鏡花の作品にはちゃんと目を通しておきたい。岩波文庫の短篇集はどれも安定していい作品が多い。取っ付きにくいものが多いけど、一日一話読むにはちょうどいい感じの重さで気に入っている。江戸川乱歩、大江健三郎、カフカ、トーマス・マン、トルストイ、ゴーリキー、ロレンス、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、モーム、ディケンズ、セルバンデス、モーパッサン、マルキ・ド・サドなどなど、偉大な作家の優れた短篇集が岩波からはたくさん出ている。各国ごとに編集した「20世紀イギリス短篇集」、「フランス短篇傑作選」、「朝鮮短篇小説選」なども一冊で色んな作家が読めていい。


厭な物語

厭な物語 (文春文庫)

厭な物語 (文春文庫)

  • 作者: アガサクリスティー,モーリスルヴェル,ジョー・R.ランズデール,シャーリイジャクスン,パトリシアハイスミス,Agatha Christie,Shirley Jackson,Patricia Highsmith,Joe R. Lansdale,Maurice Level,中村妙子,深町眞理子,小倉多加志,田中早苗,高山真由美
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/02/08
  • メディア: 文庫
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 文藝春秋から、いや〜な話ばかりを集めた短篇集。こういう試みもなかなか面白いけど、寝る前に読むのはおすすめできない。アガサ・クリスティー、フランツ・カフカ、フレドリック・ブラウンなどの作家から、後味の悪い作品を編集。続編の「もっと厭な物語」も出版されている。


怪奇小説日和:黄金時代傑作選

怪奇小説日和: 黄金時代傑作選 (ちくま文庫 に 13-2)

怪奇小説日和: 黄金時代傑作選 (ちくま文庫 に 13-2)

 ちくま文庫から、「こういう贅沢なのが短篇集なんだよ!」と思わせるくらい非常に勉強になる一冊。古典作品から怪談から民間伝承まで、奇妙でゾッとする怪奇小説がまとめてある。読んでると教養と感性が豊かになるような気がしてくる本。


青梅雨

青梅雨 (新潮文庫)

青梅雨 (新潮文庫)

 ここからは個人作家の短篇集を紹介していく。新潮文庫は値段が安いからイイね!作者は編集者から作家になった永井龍男。惚れ惚れするくらいの短篇の手腕。文人趣味の心地よい雰囲気がする一冊。


陰悩録-リビドー短篇集

陰悩録―リビドー短篇集 (角川文庫)

陰悩録―リビドー短篇集 (角川文庫)

 ぱない!さすが筒井康隆先生やでぇ…!僕もこれくらい自由な男になりたいものだ。グーグル先生にパージされるだろうが。そういえば、村上春樹も「村上さんのところ」でこの短篇集の中の話に言及してた。「よくもまあ、こんなくだらないことを考えるなあ」と春樹に言わせるほど。


つめたいよるに

つめたいよるに (新潮文庫)

つめたいよるに (新潮文庫)

 江國香織は好き嫌いがわかれやすい作家かもしれないが、個人的には短篇がすごく上手いイメージがある。僕のような人間にも江國香織の小説を読みたい気分になることがたまにはあるのだ。これほどの本が中古なら300円以下、新品でも500円以下で買えるという、日本の恵まれた出版文化には感謝するしかない。


ゴルディアスの結び目

ゴルディアスの結び目 (ハルキ文庫)

ゴルディアスの結び目 (ハルキ文庫)

 日本を代表するSF作家、小松左京がしたためる傑作短篇集。多彩なアイデアとイマジネーション。表題にもなっている「ゴルディアスの結び目」は「まどか☆マギカ」の原型になる作品とも。ちょっと乱暴でぶっ飛んだ感じがいい。


神の子供たちはみな踊る

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

 個人的に村上春樹は長編が好きだけど、短篇集もけっこうたくさん出してるんだよね。「中国行きのスロウ・ボート」「カンガルー日和」「回転木馬のデッドヒート」「蛍・納屋を焼く・その他短篇」「パン屋再襲撃」「東京奇譚集」など、タイトルの時点でセンスが溢れる。


11の物語

11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 「太陽がいっぱい」などを書いた、アメリカの女性人気作家パトリシア・ハイスミスの傑作短篇集。著者はかたつむりの観察が趣味だったらしいが…人を引きつける力のあるユニークな短篇集。


O・ヘンリ短篇集

O・ヘンリ短編集 (1) (新潮文庫)

O・ヘンリ短編集 (1) (新潮文庫)

 短篇の名手として名高いオー・ヘンリー。新潮からも岩波からも光文社からも文庫が出ている。古典的な作品だが、短篇好きならぜひ読みたい。作家志望は必読かもしれない。短い文章が放つ輝きを教えてくれる。


サキ短篇集

サキ短編集 (新潮文庫)

サキ短編集 (新潮文庫)

 短篇と言えばこの人、という、スコットランドの作家のサキちゃん。よくもまあこんなに色んな作品が書けるなあ、というほど多彩な題材を扱う。ブラックでクールな珠玉の短篇集。


千夜一夜物語

千一夜物語〈1〉―マルドリュス版 完訳 (1982年)

千一夜物語〈1〉―マルドリュス版 完訳 (1982年)

 ご存知、シェラザードが語る千夜に渡る物語。歴史に裏打ちされた物語の数々。エロい話が多め。やはり性欲は物語の大きな部分を占めるのだ。夜寝る前に読むのに最適だが、一日一話で全部読み終わるまでに3年近くかかる。短篇集とはちょっと違うかもしれないけど、知名度を裏切らない面白さ。夜伽話というのがいいよね。


グリム童話

完訳 グリム童話集〈1〉 (岩波文庫)

完訳 グリム童話集〈1〉 (岩波文庫)

 グリム兄弟が編纂したドイツの童話集。聖書と並ぶほど広く読まれたと言われている。シンデレラ、ラプンツェル、白雪姫など、ディズニーでおなじみの話も多い。本物の童話は残酷なものが多く、大人だからこそ楽しめる。


アンデルセン童話集

完訳アンデルセン童話集 1 (岩波文庫 赤 740-1)

完訳アンデルセン童話集 1 (岩波文庫 赤 740-1)

 最も有名な童話作家、アンデルセンの作品をまとめたもの。アンデルセンは「即興詩人」のようなものも書ける優れた作家だが、子どもたちのために童話を書いた。面白いというよりは身につまされるような作品たち。背筋を正して読みたいくらい。


民話集シリーズ

イタリア民話集 上 (岩波文庫 赤 709-1)

イタリア民話集 上 (岩波文庫 赤 709-1)

 情緒溢れる民話集シリーズ。岩波の優れた仕事の一つ。イタリア民話集、スペイン民話集、フランス民話集、ハンガリー民話集、中国民話集など、このような作品をゆっくり読めるような心のゆとりが欲しいものだ。最高の贅沢は精神の安定と潤沢な時間が保証するのかもしれない。


星新一

ボッコちゃん (新潮文庫)

ボッコちゃん (新潮文庫)

 短篇というよりも、SS(ショート・ショート)というまた別の分野。小学校やその年代の子供のいる家には星新一の本があって欲しい。もちろん大人が読んでも面白い。公然と星新一が好きだー!と主張したりはしないけど、星新一を馬鹿にするような人間は信用できない。




 世の中には人間一人の可処分時間では到底追いつかないくらいの映画や漫画やアニメやゲームや小説などのいろんなコンテンツがあるけど、「短篇集」というジャンルに限ったとしても、気が遠くなるほど多くの作品がある。それは喜ばしいことなのかもわからない。上でおすすめの本をいくつか挙げてみたが、この先読むものに困ることは絶対にないだろう。

 じっくり時間をかけて長編に挑むのもいいけど、生活の質は習慣と反復によって決まってくる。ほんの短いのでいいから、寝る前なんかに一話分の文章を読むだけでも生活の豊かさが違ってくるかもしれない。短篇は長編のようにハマったり束縛されることがあまりないので、毎日コンスタントに読むのがけっこう捗る。みんなも短篇集を読んで僕のように心の豊かな人間になろうぜ。しあわせしあわせ〜♪

 ゆたかなこころで\(^o^)/



関連項目