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しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

ソーシャルゲームの「時間」という発明

 日本のRPGは、二次元の漫画やアニメにおいては性的な欲望が抽象されていたように、「強くなる」とか「成績が上がる」とか「成功する」みたいな欲望を抽象して、誰でも享受できるようにしている。

 このようなゲームの快楽の原型は、「ボタンを押すと数値が増えていく」ことだ。


 ゲームの中では、誰でも簡単に、「強くなる」や「成績が上がる」や「成功する」を味わうことができる。しかし、ただのカウント機能だけではプレイヤーはその世界に価値を感じず、ゲームにはならない。

 「数字を増やす作業」は、「誰にでもできるが簡単にはできない程度」に、困難でなければならない。


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 上乗せされているものが何であろうと、ボタンを押せば「自分や、もしくは自分の所有物が強くなること」がベースにあればいいのだが、そのためには適切なハードルを持ち込む必要がある。逆に言えば、ある程度の困難さをゲーム内で表現することによって、それがゲームになる。

 ゲーム内の困難さは、「確率」がその代表的なものだが、操作の難しさ、選択肢の多さ、システムの複雑さや難解さなど色々な種類がある。


 黎明期のソーシャルゲームにおいて、その困難さを表現するために「時間」が使われ、というより使うしかなく、これが決定的な発明だった。(もともとは「たまごっち」にあった仕組みなのだが)


 「現実の特定の時間にその選択肢を選ばなければならない」という動機付けは、「誰にでもできるが簡単にはできない程度」の、ゲームとして非常に優れた要素だった

 5押しゲーと揶揄された「怪盗ロワイヤル」が、大企業を急成長させるくらい大ヒットし、収益を上げたゲームだということを無視するわけにはいかないだろう。


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 ゲームの中の選択肢の幅が横軸だとすれば、そこに「時間」という縦軸が持ち込まれた。そして、その縦軸によって、仮想世界と現実が縫い合わされるようになった

 「時間が経つと回復する資源」とか、「曜日クエスト」とか「ゲリラクエスト」、によって、現実とゲームの距離はぐっと縮まった。僕は、これは序章にすぎないと思う。これからもっと現実とゲームの世界は近づいていくだろう。



 今のソシャゲの優れたところは、素材や経験値獲得に必要なモンスターなどの横軸と、週ごとのイベントやゲリラクエストなどの縦軸が、うまい具合に噛み合っていることだ。ある種のフォーマットとして受け継がれてきた(露骨にパクられてきた)だけあって、かなりよくできている。



 一方で、「シミュレーション」的な発想の洋ゲーは、「時間」を課金要素に結びつけている。

 海外のユーザーは、和ゲーのガチャのような、「ランダムで出てくるものを有料で買う」という感覚がよく理解できない。だから、シミュレーションの前提条件のように、有料で買うものは最初から効果が明確である必要がある。

 アンロックや買い切りのシステムで課金しても、ずっと運営していくゲームでは限界がある。そこで持ちだされたのが「時間」だ。

 「Clash of Clans(クラッシュ・オブ・クラン)」や「Hay day(へイ・デイ)」など、シミュレーションをベースにしたゲームには、時間の短縮を「買う」という形での課金システムが使われている。これもかなり良く出来た仕組みで、一つのフォーマットとしてあらゆるゲームに取り入れられている。


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 コロプラの「白猫プロジェクト」というゲームは、パズドラにおける「スタミナ」など、ゲームプレイに必要な、時間によって回復する資源というシステムを「廃止」して、好きなだけ遊べることを一つの売りにしている。


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 スタミナという要素は、現実とゲームを結びつける役割を持つし、負けると無駄になってしまう「リスク」を作れるし、資源を回復できる課金要素とも結びついている。大作ソーシャルゲームとしては、これをやめるのはかなりリスキーなことで、それなりの自負があったからこそやれたことなのだろう。「白猫プロジェクト」が、スタミナを廃止した上で人気ゲームになっているのはけっこう評価するべきだと思う。(個人的には、白猫はけっこう面白かったんだけど、協力プレイが必須だと言われてやめた)

 ただ、曜日クエストなどの仕組みは使ってるし、「タウン」という洋ゲー的な時間の要素を取り入れている。ソーシャルゲームを運営する上で、もはや「時間」は絶対に無視できないものだ。



 コロプラが「RUMBLE CITY(ランブルシティ)」という新作を作るみたい。PvP要素のある街づくりシミュレーションゲームだそう。

 海外市場狙っているというのはわかるし、それはそれで間違った選択ではないのだろうけど、日本の市場で成功した実績があるんだから、もうちょっと和ゲーの要素やテイストを織り交ぜてもいいんじゃないかと個人的には思うかな。


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