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しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

DNAから見た老化の仕組みと長生きの秘訣

ダイエット
概要
  • 老化とはDNAの情報が劣化すること
  • 癌細胞はプログラミングにおける無限ループの暴走
  • 微量の放射線は健康にいい?
  • 人工甘味料って有害なの?
  • 長生きするためには



 前回ダイエット記事を書いたので、老化についてもちょっと言及してみたい。僕は以前大学で分子生物学の講義を受けたことがあって、すごく面白いと感じた話があった。あくまで一つの仮説らしいけど、人が老化したり癌になったりする仕組みをわかりやすく捉えることができる。


老化とはDNAの劣化のこと

 DNA(デオキシリボ核酸)が人類にもたらした驚愕は、人間の構成要素の一つ一つに、人間全体を構成する設計図が入っていることだった。一人の人間の設計図がDNAという短いコードに書かれているし、そのDNAは人間の微細な細胞の一つ一つに収まってしまう。

 人体はDNAの情報にしたがってタンパク質を作り出す。今この瞬間にも、DNAを読みとって新しいタンパク質を生成し続けている。人間の細胞のほとんどは数年ですっかり入れ替わってしまうらしい。


 DNAは二重らせん構造になっている。二重らせんとは、二つの塩基が対になって、それが繋がっているということ。この”二重”というのがポイント。


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 DNAの二重らせんを構成している塩基は、A(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)、G(グアニン)のたった4種類しかない。その4種類の並びで人の情報が記述されている。

 そして、二つの塩基は対になってるんだけど、対になる塩基同士は決まっていて、例外はない。絶対に、A(アデニン)の対にはT(チミン)、C(シトシン)の対にはG(グアニン)になる。つまり、二重らせんの片側さえあればもう片方の塩基も特定できる。この仕組みが重要。


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DNAは破壊される

 DNAに書かれた情報は、活性酸素や紫外線、放射線を受けて、破壊される。A、T、C、Gの塩基が切られるのだ。だが、DNAは自己修復機能を持っている。

 上で述べたようにA-T、C-Gと対応するもの同士が決まっているから、片方が破壊されても、Aが残っていれば対はTだと解るし、Gが残って入れば対はCだと解る。二重らせんすごい!日常的にDNAは破壊されているんだけど、同時に修復されてもいる。


 しかし、片方が再生しない間にもう片方の塩基が破壊されてしまったとき、つまり二重らせんの両方がなくなった場合、情報は完全に失われ、修復することは二度と不可能。これがDNAの劣化だ。

 二本鎖切断は確率的に発生するもので、数ある塩基対の中から二つともなくなってしまうものが出てくることは避けられない。つまり、誰もが老化(=DNAの劣化)してしまうということ。


 NHKの動画だけど、DNAの損傷と修復はこういうイメージなのかな?


活性酸素がDNAを傷つける - YouTube


DNAの情報が劣化するとどうなるのか?

 DNAのコードをプログラミングのように読みとってタンパク質が作られている。そのコードが損傷によって段々抜け落ちていくのだが、基本的には情報が欠けてもちゃんとタンパク質を生成できるようになっている。ただ、そのコードに穴が多いほど、作られるタンパク質がボロボロになる。歳をとるにつれて体の機能が低下するのはそういうこと。

 若いときはDNAの劣化が少ないのでちゃんとタンパク質をつくれるけど、年齢を重ねるにつれて欠陥が多くなる。対になっている塩基が断たれてしまうと二度と戻らないし、その数は時間の経過につれて増えていく。このようにして人は老化する。


癌は繰り返し処理の暴走

 プログラミングにはwhile,for,doなどのループ構文があるよね。DNAの転写、翻訳をプログラミングのように考えると、癌細胞というのは「繰り返し処理の暴走=無限ループ」として捉えることができる。

 DNAは、情報が抜け落ちていく中でもある程度まともに細胞を作り出せる機能を備えているが、運悪くループの部分が残り、それを終了させるところだけが抜け落ちてしまった場合、細胞は癌化=無限ループしてしまう。癌細胞は暴走し、無限に増え続ける。

 癌化の可能性は、DNAの劣化が激しいほど、つまり老化するほど高まる。


紫外線も放射線も仕組みは同じ

 DNAを主に傷つけるのは反応性の高い活性酸素だ。活性酸素は普段の生活で自然に発生するが、紫外線や放射線を浴びても発生する。

 なぜ紫外線や放射線や発ガン性物質がダメなのかというと、DNAを急速に破壊するから。放射線を浴びると癌になるというのもそういうこと。自然ではありえないような壊れ方をするから、癌になりやすかったり、細胞が正しく作られずに奇形になったりする。もちろん、大量の放射線を一気に浴びるとDNAの自己修復機能が働く間もないのでマジでヤバイ。


 あと、自然発生によるDNAの損傷よりも、放射線によるものは二本鎖切断が起きやすいらしい。

活性酸素によるDNA損傷について教えてください。 - 専門家が答える 暮らしの放射線Q&A


微量の放射線は体にいい?

 大食や激しい運動は老化を促進する。スポーツ選手の平均寿命は一般人より明らかに短い。ジョギングを提唱した「ジョギングの神様」は52歳で早死した。たくさん酸素を取り込めばそのぶん活性酸素が発生して老化が早まる。紫外線を浴びすぎるのもダメだし、当然ながら放射線をたくさん浴びると死ぬ。


 ただ、適度な運動は体にいい。適度な紫外線は体にいい。微量の放射線は体にいい、みたいな話ってあるよね。

 「ホルミシス効果」と言われていて、有害性を持つものでも、有害となるラインに達しない量なら、逆に有益な効果がもたらされるというもの。

 DNAには自己修復機能があるので、一つ塩基が破壊されてもその対の塩基が残っていれば問題ない。何の刺激もないよりは、塩基対が両方壊れてしまわない程度、一つだけ壊れて無事に回復する程度に再生機能が働いたほうが、抗酸化作用などが活発になって健康にいいというわけ。


 昔からラジウム温泉というのがあるし、微量の放射線が体にいいとされていたのもそういう理屈。ただ、それはあくまで学説の一つであって、実証はされてないからね。放射線の強い中国のどこぞの地方ではみんな元気、みたいな例などあるらしいけど、ホントのところはわからない。


人工甘味料は体に悪いのか?

 アスパルテームやアセスルファムKなどの人工甘味料が有害かどうかは、みんな気になるし議論が別れる問題だと思う。基本的には、すべての食べ物が体に悪い。何食べても活性酸素は発生するから。でも、摂取すると特別にDNAを傷つけるものは発ガン性物質と言われる。

 人工甘味料には発癌性が認められていない。もちろん、だからと言ってノーリスクとは限らない。発ガン性というほどではなくても、ちょっと老化が進む程度には有害、という可能性もなくはないし、そう考えている人は多い。ほんの少し発癌性があるのかどうかなんて実験のしようがないからわからない。


 これだけ科学者が研究して色んな食品に使われているわけだから、強力な発癌性を持っているということは絶対にない。ただ、ちょっと老化が促進される程度の害はあるかもしれない。普通に砂糖摂ったって老化は進むんだけど、人工甘味料のほうが老化する度合いが強いという可能性は十分にある。それを測定する実験はすごく難しいだろうが。

 人工甘味料は、太らないかわりに、砂糖よりもほんの少し老化を早める可能性がある、くらいに僕は考えている。そこまで大した違いはないと思うけどね。まあ、個人的には人工甘味料の味が嫌いなので、アスパルテームが入ってるものはキシリトールくらいしか食べないんだけど。


健康に長生きするためには?

 今まで言ったことを含めて、長生きするにはどうすればいいのだろうか?

 DNAの劣化はどうやったって避けられない。息をしただけでも損傷するし、食事をしても、運動をしても、日光を浴びても活性酸素が発生する。ただ、その度合いを軽減することはある程度可能だろう。


 たぶん、あまり食べず、あまり運動せず、激しい感情を抱かず、DNAの損傷を最低限に抑える優しい生き方をするのが長生きの秘訣。樹木のように穏やかに生きるのだ。

世にも不思議なソコトラ島

世にも不思議なソコトラ島



 ただ、人体はそんなに単純でもなく、運動で抗酸化作用が高まるとか、節制するとサーチュイン遺伝子とかいう長寿遺伝子が出てくるとか、いろいろあるらしい。分子生物学に関してはわかっていないことだらけで、ゲノム系の教科書もめちゃくちゃ分厚いわりにはあまり体系化されてないみたい。だから小保方さんみたいなこともできる。


 授業のスライドっぽいものが公開されてるの見つけた。僕が受けたのはこの回じゃないけど。

 このエントリーで言った話はあくまで一つの仮説にすぎないし、見識も知識もないのに書いちゃって申し訳ないんだけど、誰か小保方さん並に詳しい方がいらっしゃったら教えてください。




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