しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

日本のアニメはこれからどうすればいいのだろう

概要
  • アニメ業界は苦しい。
  • コンテンツが無料で視聴されている中、収益を上げるモデルを確立できていない。
  • 人件費を抑えるために国外に作業を外注して、そのため国内のアニメーターの待遇は悲惨になる。
  • 業界が高齢化しているらしいが、若くて才能のあるアニメーターをすくい上げる仕組みはあるのだろうか。
  • 同人的な方法でアニメを作るのは可能か?
  • 無料で見られるのを前提とした上でアニメをつくる必要がある。広告と一体化したアニメってありかな?


アニメ業界は苦しい。

 僕は、アニメは日本の誇りだと思っている。今でも優れたアニメは生み出され続けているが、現場のアニメーターの待遇は悲惨だと聞く。アニメは違法視聴が問題とされているけど、もともとテレビで無料で流して、グッズや玩具などの関連商品を売ってリクープ(投資金を回収)する収益モデルのアニメも多かった。ロボットアニメは玩具を売ってリクープしていたし、萌えアニメはマニアックなファンが高いDVDやフィギュアを買ってくれるからこそ成り立ってきた。

 だが、すでにそのようなモデルすら衰退して危うくなってきている。熱心なファンはDVDやグッズを買ってアニメ業界を支えてきたことになるが、そういう善意や熱意や執着に頼る仕組みも、現在のアニメ業界がうまく整備できているとは思えない。

 漫画や小説や音楽なども旧来の収益モデルは滅びつつあるのかもしれないが、個人でもコンテンツをつくれるので、以前より儲からなくはなっても衰退することはないだろう。金にならなくても作品をつくりたい人はいくらでもいる。だが、アニメ業界は状況が違って、ある程度の人数を必要とする組織でしかやれない産業だ。  同じように大規模な産業のゲーム業界なんかは違法コピーがしにくいから収益の仕組みはしっかりしているし、ソーシャルゲームは無料を前提とした上での収益モデルをうまく作り上げた。(参考:前エントリー

 アニメは世界中で見られていてそれなりに影響力を持っていると言われているのに、それをマネタイズする仕組みが確立されていない。政府はクールジャパン政策とか言って著作権を強化してそれをやろうとしているけど、的外れだし、成功しそうにない。



 制作会社によってそれぞれ状況は違うんだろうけど、アニメーターの待遇の酷さは色んなところで指摘されている。


アニメーター・柳沼和良氏の現在のアニメ業界について語る


 もともとアニメって貧乏な国でもできる低コストな産業なんだよね。映画みたいに大掛かりな設備がいらないし、コストの8割が人件費だそうだ。日本は消費財の物価が下がって相対的に人件費が高いから、それでアニメのコストも高くなってる。あと、動画の部分は賃金が低い海外に外注できるので、国内のアニメーターは過酷な競争にさらされてどんどん待遇が悪くなる。日本のアニメにはびこる根性主義は虫プロからの伝統だとも言われるけどね。

 あと、アニメは組織で製作する必要があるが、生産過程が昔のままの中央集権で、若くて才能のあるアニメーターを掬い上げる仕組みができていないとも言われる。これは由々しき問題だと思う。


 今でも優れた作品はどんどん放映されている。それでも、「いやあ、こんな素晴らしい作品はアニメーターさん達の人生の犠牲の上に成り立っているんだな〜(しみじみ)」なんて言ってられないくらい、現場には差し迫った現状があるのかもしれない。例えば、今の若い人達、仮に僕たちみたいなのがアニメを作ろうとするとき、どういうやり方が考えられるだろうか。


同人でアニメをつくるという考え

 ガイナックスの岡田斗司夫は、これから長い目で見て、産業としてアニメを作るのは無理だから、「アニメが好きなら仕事にしなくても趣味でやればいいじゃん」という考え方で、同人アニメを構想している。もともと儲かる産業じゃないから、アニメで儲けようとかアニメを仕事にしようなんて考えず、自分たちでお金を出して自分たちの納得する作品を作ろうという発想だ。それぞれがお金を持ち寄って、みんなでアニメを作る。

 この考え方はすごく面白いと思うし、応援したい。でも、産業としてのアニメを確立して、アニメーターの待遇を少しでもまともにしたいというこのブログの主旨とはまったく方向が別の発想だから、あまり参考にはならないかもしれない。



岡田斗司夫×堀江貴文 電撃対談!!「みんなでアニメ作ろう!」 - YouTube



無料を前提としたアニメをつくる。

 違法視聴は止めようがないし、無理に規制したってアニメの人気が下がるだけだろう。もう、「アニメはネット上で誰にでもいくらでも視聴されるもの」という前提でやっていくしかない。合法とか違法とか問わず、そのアニメが視聴されるほどアニメーターが得をするという仕組みをつくるしかない。

 一つの方法としては、アニメの中に直接広告を入れることだ。アニメの内容自体が広告なら、違法視聴でもなんでも、見られれば見られるほど良いということになる。


 要はタイバニみたいな感じだ。

TIGER & BUNNY DVD-BOX (期間限定生産: 2014年10月31日まで)

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「革命的」商業展開!TIGER&BUNNYスポンサー企業一覧と最新映画の楽しみ方【タイバニ】


 革命的な商業展開と言われた「TIGER&BUNNY」は、ペプシやAmazonやソフトバンクやバンダイなどと提携して、作中に登場するヒーローのスーツに既存企業のロゴを貼り付けていた。企業とアニメの内容自体を直接結びつけて、宣伝費を出してもらうという方法だ。そのような企業とのタイアップというやり方は、すでに色んな作品に見られる。


2013年映画業界はアニメが熱い!企業タイアップで売上上昇!!


 ただ、僕は、ロゴを貼るみたいなやり方だけじゃなくて、もっと直接的に企業の宣伝をアニメの中に取り入れればいいと思ってる。日本のアニメの評価は現場の待遇と反比例するように高まっている。そういう前提を盾にして、「企業の商品をアニメの内容に使いますよ」みたいに言えば、アニメーターの人件費くらい出してくれるところはあると思うんだよね。

 いくら不景気と言っても、海外展開がうまくいってる景気のいい企業もなくはないだろう。わかりやすいところではグローバル展開している外食企業とかかな。CoCo壱番屋とか大戸屋とか丸亀製麺とか、海外に進出している大手企業に頼んで、PR用のアニメをつくるかわりに金出してもらえばいい。


 登場人物の服に企業のロゴがついてるとか本筋には関係ないものじゃなくて、もっと直接的に、作中の登場人物がCoCo壱の中に入ってカレーを食べるとかね。それも、日本の変態的なアニメ技術の粋を尽くしてめちゃくちゃ美味しそうにカレーを食べる。そのシーンを1話に数分入れるという制限でアニメをつくる。というより、CoCo壱をテーマにしたアニメをつくるくらいの勢いでいい。

 もちろん、カレーを食べるだけの映像だと本当にただの宣伝なので、ストーリーも全力でつくる。もともと、アニメはスポンサーの制限のもとに作られてきた。玩具が売れるように1話ごとに新しいロボットを出せとか、オタクがフィギュアを買ってくれるように萌え絵にしろとか、そういう制約の中で素晴らしい作品が生まれてくることも多かった。だから、毎回必ず登場人物がカレーを食べるシーンを入れろという条件があっても、それを乗り越えながらやるからこそ優れた表現やストーリーが生まれてくる可能性だってあると思う。

 制限があることで良い作品ができた例は多くある。コンシューマーゲームの歴史を見ても、ハードのスペックの限界に沿うようにして優れたアイデアが生み出されてきた。だから、企業とべったりくっついたアニメに革新的な表現やストーリー展開が生まれてくることだってあると思うんだよね。



 アニメに必要な費用なんて主に人件費なんだから、日本の誇りだとか、若い人達にもチャンスをとか、アニメ史上初の試み、みたいなお題目掲げて海外展開してる調子の良い企業に頼めば、アニメの制作費くらいなら出してもらえるかもしれない。それで、作中にはスポンサー企業の商品をできるだけ素晴らしい形で登場させるという縛りのもと、完成度の高い作品を全力でつくればいい。作品は見られれば見られるほどいいので、YouTubeやニコ動に公式で流せるし、提携先の企業の店舗にURLつきのポスターでも貼っておいて貰えれば色んな人に見てもらえる。このご時世、マスメディアしか情報を発信できないわけでもないんだし、バイラルなんたらも盛んだから、無料で見れる良いコンテンツが作れれば宣伝費なんてかけなくても勝手に広まる。

 そのモデルが成功して、提携先の企業の商品が大流行したら、アニメ制作側の評価ももちろん上がるだろうし、アニメーターの待遇も良くなっていくと思う。…という妄想をしてるとけっこう楽しい。うまくやれば、若い人たちでも商用のアニメをつくることができるかもしれない。


 まあ、僕は絵心がまったくない人間なのでアニメなんて作れませんが、営業くらいならできるかもね。




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