しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

AKBのこぎり事件について思ったこと

 あまり時事問題についてブログ書きたくないんだけど、どうしても書きたくなってしまったので書く。岩手県のAKBの握手会で、川栄李奈さんと入山杏奈さんとスタッフがのこぎりで斬りつけられた事件のことだ。

 事件を知ったのはTwitterからだ。僕はAKBについては詳しくなくて、川栄李奈さんも入山杏奈さんも知らなかった。画像検索したら二人とも可愛かった。

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 事件を知って落ち着かなくなった。可愛い女の子が刃物で斬りつけられた。一番心配なのは、顔に傷がついていないかどうかだ。そのときは全然情報がなかった。アイドルが顔を刃物で斬りつけられればどういうことになるのかと考えて怖くなってきた。血だらけというツイートがあり、相手が使ったのはノコギリだという情報も出てきてぞっとした。

 ただ、それからは僕が心配したところで特に意味は無いし、そもそも僕はAKBの事情にも全然詳しくないので、何か考えるとしても結果が明らかになってからにしようと思った。悪い結果を待つのはつらい。でも、やっぱりTwitterとか2ちゃんねるとか見ちゃう。



 久しぶりにウェブを見て嫌な気分になった。女の子が斬られてざまぁとか言っちゃう奴がこんなに多いものなのだろうか。2ちゃんねるとかTwitterの一部の層ならまだしも、それなりにまともな層の人や名前が売れている人でも、平気で今回の事件を平気で茶化したりできるということがショックだった。心ないブログ記事があったし、はてブのコメントとかも酷かったし、それを支持している人も多かった。さすがに、今回のAKBを取り巻く言説にはまずいところがあると思う。



 批判する側に多いのは、ついに起きたか!という意見だ。もともとオタクの執着を利用するような仕組みだし、みんながアイドルと直接触れ合える握手会なんて危険すぎる、というもので、マスコミの報道もそんな感じだった。一方でAKB擁護側の反論としては、今回の事件の犯人がAKBヲタではなく、対象は誰でもよかった。目立ちたいだけで、犯行に起こしやすい会場として握手会を選んだに過ぎない、というものだ。

 両者に比較的共通していた意見は、セキュリティの強化だろう。チェックが甘すぎるし、簡単に武器を持ち込めるのはまずい、という話だ。



 以下で僕の意見を述べようと思う。僕が考えるのは、このような事件を、これから僕たちはどうやって「解決」していけばいいのか、「解決」しうるのかという話だ。


 まず、セキュリティ強化論。人気アイドルに会えるにしては、セキュリティが甘すぎた。女の子を守るために握手会を廃止するか、セキュリティをガチガチに強化するべきだという話だ。たしかに、間違ってはいない。もっとセキュリティを強化するべきだろうし、実際にAKBの運営側はそのようにして動くだろう。ただ、それは「解決」でもないし、「改善」ですらない。根本的な問題はそういうことではない。今回は、例えば、原発事故が起きたから原発をより安全に運行するべき、廃止するべき、みたいな問題とは話が違う。


 前提としてあるのは、単純で恐ろしい事実として、僕たちはその気になれば簡単に人を傷つけたり殺したりできるということだ。信頼に守られた社会の中で生きているわけで、知性とか体格に関係なく、人を殺すために条件はその気になるかどうかだ。そういう意味では(物理)の面で僕たちは平等だと言える。

 ホッブズが言うようなアナーキーな世界は実はどこにもないみたいな話を聞いたことがあったけど、それでもいちおう人類は、武力による均衡ではなく、政府と社会をつくり、人権を尊重し、人々に幸福を保障するという形でその問題を解決してきた。(少なくとも日本国内ではそういうことになってる)

 そのぶん僕たちが生きる今は社会性が増していて、たった一人の暴力の効果が掛け値なしに上がっている。「治安」とか「民度」というものが、良識や分別や惰性のほんの危ういあわいにあるということ、そのバランスが一気に傾いてしまう可能性がるということを、僕たちは忘れるべきじゃない。


 だからと言って、セキュリティを強化すればいいという問題でもない。きりがないし、徹底的にやろうとすれば何世紀も時代を逆戻りすることになる。ちょうどAKBの事件と同じ時期にアメリカで銃乱射事件があった。人が6人死んでるし、こっちのほうがAKBよりずっと酷い事件だ。「いや、まず銃を規制しろよwww」と揶揄する人が日本に多い。たしかに銃が手元にあるからこういうことをしやすくなっているという面はあるだろうけど、それだけじゃない気がする。放火とか、車で轢き殺すとか、やり方は色々あるし。

 もうアメリカでは、金持ちが自分たちで集まって市をつくり、貧乏人を入りこませないように強力な警察で囲っている。日本がそういう社会になればいいとは僕は思わない。

 日本はかなり同質性が高い国だし、治安も良く民度も高いと言われる。だからこそ、その気になれば有名人だって簡単に殺せる。握手会だからどうとか言う話じゃない。



 じゃあ、どうすればいいのか?どうやって「解決」していけばいいか?どうしようもないのだ。これは「事故」だからだ。犯人がAKBに対する執着を持っていようとなかろうと、刃傷事件が起こってしまったことに変わりはない。でも、一体何人が何回握手会をした上での一回なのだろうか?こういう突発的で嫌な事件は、どこにでも起こりうる。AKBの握手会はそれが比較的起こりやすい場所であるのかもしれないが、必然性はない。


 嫌な事件は、どうしようもない嫌な事件として、みんなで嫌な思いをするしかない。反発するようにして(物理)を提唱する人の気持ちもわかる、やればいいんだけど、それで問題を解決したことにはならない。こういう事件が起こったときに僕たちがまずやるべきことは、「嫌な事件ですね」とか「無事を祈るばかり」と言って、嫌な気分になったり心配したりすることだ。そういった気持をみんなと共有することであり、人の気持ちをないがしろにしないことだ。苦しんでいる人の気持ちを汲んであげることだ。「民度」とか「治安」に必要なのは、最終的にはそういう祈りの積み重なりだと思う。


 と、まあお花畑みたいなことを言ったけど、実際にやるべきことは格差の是正と安定した生活基盤の確保だと思う。一人一人がしかるべきプライドと仕事を持てるようにするべきだよね!(切実)



 日本人の民度が高いとか言うのも、幻想なのかもしれないけど、だからこそ言葉なりなんなりを使ってそれを維持しようとするべきだと思う。そもそも、知識人もマスコミも、刃傷事件を引き金にしてAKB廃止論を唱えることの意味がわかっているのだろうか?もしほんのちょっとした「暴力」で、ここまで大きなコンテンツが衰退することに「気づく」人が出てくれば、もしそいつが今回の事件の犯人みたいな馬鹿じゃなかったら、一番危険なのはお前らじゃないかと言いたい。




 今回の事件に対する言説は酷かった。ただ、それはAKBというシステムそのものの影響もあるかもしれない。AKB自体が持つ、人間の弱い部分に漬け込む仕組みは批判するべきものがたくさんある。ただすごく良くできているのは、中にいるアイドルの女の子は何も悪くないところだ。AKBの一連の仕組みが悪いからと言って、中にいる女の子を叩いたり侮蔑する人達って頭悪すぎるし、そういう頭の悪いアンチに反発する形で、中にいるファンは盛り上がる。そして当のアイドルたちも心ない批判にさらさらながら必死に戦っていることになる。(ていうか実際に外から見ても感心してしまうくらい頑張っていると思う)そのアイドルの頑張りを見て、ファンはますますヒートする。ファンの盛り上がりようは外から見れば不快なので、アンチがまた叩いて、ファンもその分だけまたまたさらに盛り上がる。一つのシステムになってしまっているので、多分誰もそんなに悪くないし、それだけに救いのない話に思える。


 (東浩紀の話でははないけど)ある知識人がTwitterで、「若い女性が万単位の客を個別に接待するシステムそのものがおかしい(AKBの話ではありません)とつぶやき、その一連のツイートでAKBの批判をした。

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 これは一例だが、わりと立派だと僕が思っていた知識人の方々が、この事件を機にとってつけたようなAKB批判を言っていて、それに驚いた。そこにはAKBのメンバーやファンの気持ちを汲んであげようとする気持ちも、敬意も一切感じられなかった。そもそも、AKBとか以前に、女の子の顔に酷い傷がついた事件だったかもしれない状況だったわけだろ!どうしてそういうときに茶化したり馬鹿にするコメントを平気でできるんだよ!と、Twitterとかを見てたときはかなり腹立たしく思ったんだけど、今考えてみれば、それはAKBという仕組みがもたらしたものかもしれない。

 こういう事件が起こった時、まずは被害者の女の子を気遣って心配するのが常識的な態度だ。心ない批判を垂れ流した人も、普段のツイートを見ている限りそれほど浅はかな人だとも思わない。単純に、批判してしまう側もかわいそうなくらいAKBというゲームの中に回収されているということなのかもしれない。東浩紀などの言論人の件も、某批評家や情報環境学者の本を見ても、AKBって人間の知性を低下させるシステムなんじゃ……って思うこともある。



 個人的に、AKBに対してはいつか批判したいと思っている。批判しなければいけない部分はあると思う。ただ、現状でその能力が自分にはない。良い部分も悪い部分もあるし、システムは複雑で、かなりよくできている。なかなか難しい試みだと思うけど、いつかAKB批判を書いてブログに載せたいと思っている。でも今回の話は別で、AKBはまったく悪くない。


 良くも悪くもかなり大きな存在になってしまったのだ。AKBのようなアイドルグループは、それに取って代わる仕組みが生まれたときにゆっくり衰退していくべきであって、この事件をトリガーにして破綻してしまうのは絶対にまずい!それはもうAKBだけの問題じゃない。だから今回に限って、僕は全面的にAKBを応援したいと思う。



 今までみたいな握手会はさすがにできないだろうし、メンバーの女の子達の気持ちは何より重視するべきだ。正直けっこう大変な状況だと思う。とりあえず、近く総選挙があるらしいので川栄さんと入山さんに票くらいは入れてみることにします。

(^p^)つ(CD)


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