読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

しっきーのブログ

ひろいこころで\(^o^)/

ゼルダの伝説 スカイウォードソード

ゲーム ゼルダの伝説

f:id:skky17:20140524110602j:plain


 日本の「ものづくり」が衰退してきているとはよく聞く。例えば日本経済発展の一つの象徴だった自動車業界も、工業化から情報化の流れで苦しくなってきている。もともと自動車は複雑なすり合わせの作業が求められるもので、エンジンからシャフトからギアから、あらゆるパーツがうまく噛み合わさるよう、綿密な調整をすることが必可欠だった。今は技術が発展して、正確な設計図に基づき、部分ごとにパーツを作って後から組み合わせれば十分な自動車ができるようになった。コンピューターと機械にまかせれば、人間が細かく調整する必要のある部分は少なくなってくる。情報化の時代へと進んで、「職人芸」的な調整は必要なくなりつつある。

 それでも、情報産業の一つの主要な項目であるデジタルゲームには、まだ「職人芸」が必要とされる部分が残っているように思える。そして現状、綿密な摺り合わせと調整、日本の美徳と言われていた「職人芸」を体現している企業は、ひょっとしたら任天堂ではないだろうか。

 「マリオ」や「ゼルダ」は、そのような日本のプライドの最先端を担う役割を背負っていくことになるのかもしれない。そういう予感を抱かせるほどのものが、「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」にあった。もともとは子供向けのおもちゃメーカーであり、その延長でずっとやってきた任天堂がそこに至ったというのは、感動すら覚える。



ゼルダの伝説 スカイウォードソード オープニング映像 - YouTube


 最初のゼルダの伝説から25年、僕よりも年上だ。「スカイウォードソード」は、ゼルダシリーズが歩んできた半世紀の歴史に恥じることのない大作だった。伝説の原点にあたる物語であり、初代からのすべてを踏まえた正統な進化系だ。正直言って、僕は「トワイライトプリンセス」の後にどうなるのか、期待するとともにひやひやしていた。だがそんな心配はまったく杞憂だったのだ。「スカイウォードソード」をプレイして、そのクオリティの高さに異論を挟む人はいないだろう。


 今まで任天堂が培ってきたものを、摺り合わせ、発展させ、調整し、一つの世界観に統合している。まさに「職人芸」だと思う。ゲームの細部に至るまで、抜かりない。常にゲームとしての仕組みや遊びと噛み合わさった形で、物語があり、歴史があり、出会いと別れがある。それは、「おもちゃ」として作られたゲームの系譜が、ここまで壮大な叙情になり得たということでもある。やっぱり、僕は他のどんなゲームよりもゼルダの伝説が好きだ。


f:id:skky17:20140524110920p:plain


 海外での人気が高いが、すごく「日本的」なゲームだと思う。ある種の理想としての日本らしさかもしれない。粋であり、細かく丁寧で、妥協せず、技術が高く、美意識に背かない。それが「古き良き時代」の幻想なのかどうかはわからない。ただ少なくとも、ゼルダシリーズ、特にこの「スカイウォードソード」は、一つのゲームソフトとしてそれを体現している。


f:id:skky17:20140524111025p:plain


 壮大でありながらも、「小さく」つくられている。ハードのスペックが上がっているから、ただ大きなものをつくるのは簡単だ。あえて狭く小さくする方向に舵を切っているのがわかる。同じ場所に何度も降り立ち、濃密な体験を繰り返すように作られている。しかし、小さく作られていながら、今作のテーマは「空」なのだ!このようなある意味矛盾した感覚をそのままゲームに取り込んでしまうところは、ゼルダの面目躍如かもしれない。


f:id:skky17:20140524111056p:plain


 丁寧で親切だ。「おもてなし」の心があると言ってもいいかもしれない。それでいて教養的でもある。簡単にできることから始まって、次第に複雑に、応用的になっている。「入口は低く、出口は高い」。ダンジョンは難しく、なおかつ誰にでもクリアできるような、そのギリギリを狙っている。信じていると言ってもいいかもしれない。これも、かなりゼルダ的だ。人が成長していくという前提をゲームにとってなくてはならない条件にしている。


f:id:skky17:20140524111120p:plain


 「こだわり」がある。一つ一つの動きに、手触りに、感覚に、こだわりきっている。徹底的に手が尽くされている。これまでのゼルダシリーズの蓄積と、Wiiスポーツなどのソフトで開発した技術を使い、ゼルダとしての新しいアクションを確立した。剣や盾の戦闘も、アイテムの動きも、走ったり泳いだり飛んだりするリンク自身も、やっているうちに、これ以外ありえないと思えるほど手と感覚になじむ。そして、ダンジョンやキャラクターやイベントも、アクションの部分と連動する形で、綿密な調整のもとに組み立てられている。特に、アクションの核になる仕組みはストーリーの核心とも繋がっている。


f:id:skky17:20140524111203p:plain


 そして、それらのすべてを含んだ一つの世界観がある。フィールドは雄大で美しく、細々としたものが愛おしく、ゼルダらしい「空気」を感じる。ゼルダシリーズとしての様式があり、歴史がある。特に本作は、「ゼルダの伝説」始まりの物語でありながら、他の作品を知っているほど感動できる。まったくもって心憎い。




f:id:skky17:20140524111312p:plain


 任天堂の出自はおもちゃメーカーであり、基本的に子供が遊べるゲームとして作られている。技術が発展し、否応なくゲームの仕組みが複雑になっていく中、小さな子どもでも感覚的にわかるように、最後までクリアできるように、綿密に調整されている。それは、誠実さと、献身と、信頼と、祈りでもある。「スカイウォードソード」は、ずっとおもちゃメーカーの延長としてやってきた任天堂が、ゼルダの伝説が行き着いた一つの到達点だ。


f:id:skky17:20140524111241p:plain


 「スカイウォードソード」をプレイして一番感動したのは、自分自身に対してだった。もう「子ども」ではなくなっても、ゲームを心から楽しむことができたこと、僕はまだ「おもちゃ」で遊ぶことができるのだという可能性と驚きに感動した。初めてゲームをプレイしたのが小学1年生の頃だったから、歴史を感じてしまう。ゼルダの伝説に育てられた僕が、また、ゼルダの伝説に気づかされた。



f:id:skky17:20140524111357p:plain



関連項目

ゼルダの伝説 時のオカリナ

ゼルダの伝説 ムジュラの仮面

ゼルダの伝説 風のタクト

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

おすすめのゲームベスト100をランキング形式で紹介する

ニコ動でおすすめのゲーム実況者を16人選んだ